WEB版(朝日新聞号外)
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小林さん、益川さんはその後、京都大理学部で再会した。「また一緒に仕事をしましょう」。そう声を掛け合って、「対称性の破れ」という不思議な現象に取り組んだ。 研究室で議論し、自宅に帰って、また考える。益川さんが新しいアイデアを思いついて、小林さんに告げると「実験結果と合いません」と翌日には否定される。そんな苦難の日々が続いた。 益川さんは当初、当時発見されていた三つのクォークを一つだけ増やし、四つのクォークを使うことで「対称性の破れ」をどうにか説明しようと試みていた。だが、うまくいかない。 益川さんによると、六つのクォークモデルを思いついたのは、風呂に入っていた時のことだった。湯につかりながら、四つのクォークをあきらめようと思いたったその瞬間、六つにすればうまくいくとひらめいた。 「計算も何も必要なかった。その瞬間、自明であることが確信できた」。湯船から出た時には、小林・益川理論の骨格はもうできあがっていた。益川さんが論文を日本語で書き、小林さんが英語論文に仕上げた。論文は翌73年、湯川博士の提案で発刊した日本の英文専門誌「プログレス・オブ・セオレティカル・フィジクス」2月号に発表された。 3人が受賞した研究「素粒子・物理」とは:私たちの身の回りのあらゆる物質を構成している最小要素は何なのか。 18世紀から19世紀にかけては、水素や炭素、酸素といった元素・原子が根源と考えられていた。しかし、この考え方が確立した後も、究極の素粒子を追い求める動きは絶えなかった。 19世紀末から20世紀前半にかけて、原子には中心にほとんどすべての質量を占める原子核があり、周囲にはマイナスの電気を帯びた電子が回っていることがわかってきた。 さらに、原子核はプラスの電気を帯びた陽子と電気を帯びていない中性子からできていることが判明した。 20世紀後半に入って実験技術が進歩すると、陽子や中性子、電子の仲間と見られる微粒子が100種類以上も見つかり、素粒子の概念も変更を余儀なくされた。 現在では、陽子や中性子はクォークと呼ばれる基本粒子が合わさってできた複合粒子で、クォークは6種類あることがわかっている。 素粒子物理学は、宇宙の起源を解明する宇宙物理学の基礎にもなっている。クォークや電子といった基本粒子は約140億年前、宇宙誕生の際の大爆発(ビッグバン)による大きなエネルギーが生み出したと考えられている。 究極の素粒子の本質を探る研究は、いまなお続く。物質がなぜ質量をもつのかを説明する理論も、実験で証明されたわけではない。 今年9月に始動した欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)が、こうした謎に迫ると期待されている。asahicomより。
平成20年10月7日(火)日本人3氏ノーベル物理学賞受賞.pdf こちらからご覧ください。
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